感冒とインフルエンザ
感冒の症状
ウイルスの種類によって症状は少しずつ異なります。通常、体のだるさや寒気、のどや鼻の乾燥感などが1~2日続いたあと、のどの痛みや鼻水、鼻づまり、頭痛、発熱などが現れます。そのまま治ることも多いのですが、長引いて咳せきや白っぽい粘液のような痰が出たりします。咳や痰が出ることは、炎症が下気道へも広がり始めたことを意味しており、発熱も含めて症状はさらに強くなります。
インフルエンザの症状
インフルエンザは、潜伏期が極めて短いのが特徴です。感染して1~2日後に体のだるさや寒気、のどや鼻の乾いた感じ(前駆ぜんく症 状という)が出ますが、その時間は短く、突然38~40℃にも及ぶ高熱が出て、強いだるさや消耗感、筋肉痛、関節痛などが出ます。普段健康な若い人でも寝 込んでしまうほどの症状が3~5日も続きます。解熱剤などを服用してもしつこく何度も再発熱し、体力の消耗はさらに強くなります。
漢方医学について
漢方医学によって、感冒とインフルエンザは“表証”と呼ばれています。表証とは、三つのタイプがあります。
一、風寒表証:たいてい秋と冬に現れます。
症状:のどの痛み、胸の痛み、咳、白や透明色の鼻水・痰、頭痛。
体に良い食べ物や漢方:黒糖、生姜をお湯に入れて飲む。辛い食べ物と甘い食べ物は風寒を消します。
二、風熱表証:たいてい春と夏に現れます。
症状:のどの痛み、胸の痛み、咳、黄色か緑がかった鼻水・痰、頭痛、喉の渇き。
体に良い漢方:漢方の菊花や薄荷をお湯に入れて、冷めてから飲む。この漢方は風熱を消します。
三、表寒裏熱証:季節を問わず現れます。
症状:発熱、寒気、頭痛、関節痛、汗がでない。
体に良い漢方:漢方の麻黄や石膏をお湯に入れて飲む。麻黄は寒気を取り除きます。そして石膏は体内の熱を下げます。
風寒表証と風熱表証は感冒と似ていますが、表寒裏熱証はインフルエンザと似ています。感冒やインフルエンザにかかった時に、薬を飲まなかったとしても、たいてい一週間で治ります。しかし漢方であれば、3~4日で治ります。もし風邪をひいてしまったら、漢方を飲んで、ゆっくり休むことをおすすめします。